ファクタリングを利用するにあたっては、各ファクタリング会社によって審査基準や利用条件が定められています。スムーズに資金調達を行うためには、これらの条件を正確に把握し、準備しておくことが重要です。
ここでは、一般的なファクタリングサービスに共通する主な利用条件について詳しく解説します。
主な利用条件
ファクタリングの基本的な利用条件は、以下のような項目に集約されます。これらを満たしているかどうかが、審査通過のカギとなります。
1. 売掛金(売掛債権)が存在していること
ファクタリングは、売掛債権を譲渡・売却することで資金化する仕組みです。したがって、実際に売掛金が存在していないと利用はできません。
それを証明できる請求書なども必要です。
2. 売掛先が法人・団体であること
売掛先が個人ではなく、法人または公共団体であることが一般的な条件です。ファクタリング会社は売掛先の信用力を重視するため、安定した企業を相手に取引していることが審査の通過につながります。
3. 売掛先との取引実績があること
継続的または過去に一定の取引実績があることも重要です。新規の取引や請求が初回の場合、債権の信頼性が不明なため、審査が通りにくくなるケースがあります。
4. 二重譲渡・担保設定がないこと
同一の売掛金を複数の金融機関やファクタリング会社に譲渡する「二重譲渡」は禁止されています。
また、当該売掛債権に対して担保設定や債権譲渡登記がされている場合、利用を断られる可能性が高くなります。
5. 反社会的勢力との関係がないこと
利用者または売掛先が反社会的勢力と関わりを持っていないことも絶対的な条件です。契約書には反社排除条項が設けられており、調査の結果、関係が疑われる場合は即座に取引を拒否されます。
主な必要書類
ファクタリングを申し込む際には、以下のような書類の提出が求められます。
- 売掛先との取引契約書または注文書・発注書
- 請求書および納品書などの取引証憑
- 直近の決算書(1~2期分)
- 通帳のコピー(入出金確認用)
- 会社概要やパンフレットなどの事業内容が分かる資料
審査で重視されるポイント
ファクタリング会社が審査を行う際に重視するのは、主に以下の3点です。
- 売掛先の信用力:大手企業や財務状況が安定している会社が好まれる
- 取引の実在性:請求書・納品書が整備され、架空請求でないこと
- 利用者(申込企業)の信用状況:過去の不正や債務超過歴など
3社間ファクタリングでは、売掛先の信用度が審査の中心となります。一方、2社間ファクタリングでは利用企業側の信用も一定程度見られるため、赤字決算や税金滞納などがあると審査に影響が出る可能性があります。
まとめ
- 売掛債権が実在し、売掛先が法人であることが基本条件
- 取引実績・信用性が審査のポイント
- 必要書類の準備と情報の整合性が審査通過に直結
ファクタリングを有効に活用するためには、これらの利用条件を事前に確認し、売掛金管理や取引先の信頼性を日頃から意識しておくことが重要です。スムーズな資金調達につなげるためにも、ファクタリング会社ごとの条件差にも注意を払いましょう。