ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の種類があります。ここでは、それぞれのファクタリングの特徴や違い、どちらを選ぶべきかについて詳しく解説します。
2社間ファクタリングの特徴
2社間ファクタリングは、ファクタリング会社と2社間だけで契約を行う形態です。売掛先には通知されないため、知られることなく現金化が可能です。
売掛金の回収は、いったんファクタリング申込者が行い、ファクタリング会社に後で支払う流れになります。
メリット
- 取引先にファクタリングの利用を知られない
- 審査が比較的早く、資金化までのスピードが速い
デメリット
- 3社間より手数料が高くなりやすい(10〜20%程度)
- 売掛先の信用力ではなく、利用企業の信用力も重視される
- 債権回収を自社で行う必要がある
3社間ファクタリングの特徴
3社間ファクタリングは、売掛先も含めた3社間で契約を結ぶ形態です。売掛先が債権譲渡に同意する必要があり、回収はファクタリング会社が直接行います。
透明性が高く契約リスクが少ないため、手数料は2社間よりも安いことが一般的です。
メリット
- 手数料が比較的低く抑えられる(1〜5%程度)
- 売掛先の信用力が審査の中心となるため、利用企業の財務状況に不安があっても利用しやすい
- ファクタリング会社が売掛金を直接回収するため、回収リスクがない
デメリット
- 売掛先への通知・同意が必要となる
- 契約手続きに時間がかかる傾向がある
主な違いの比較表
項目 | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
---|---|---|
関係者 | 申込者、ファクタリング会社 | 申込者、ファクタリング会社、売掛先 |
売掛先への通知 | 不要 | 必要 |
手数料相場 | 10〜20% | 1〜5% |
資金化までのスピード | 早い(即日〜数日) | やや遅い(1週間前後) |
信用審査の焦点 | 申込者と売掛先 | 売掛先が中心 |
回収業務 | 申込者が行う | ファクタリング会社が行う |
どちらを選ぶべきか
2社間と3社間のどちらを選ぶかは、利用する目的・事情によって異なります。
たとえば、「取引先に知られずに資金調達したい」「とにかく急いで資金が必要」という場合は、2社間ファクタリングが適しています。
一方で、「コストを抑えて安定的に資金調達したい」「売掛先が信頼できる企業で協力が得られる」という場合には、3社間ファクタリングが有利です。
まとめ
- 2社間ファクタリングはスピーディーで秘密性が高いが、手数料が高め
- 3社間ファクタリングはコストが低く、信用力があれば有利に働く
- 利用目的や資金調達の緊急性、売掛先との関係性に応じて使い分けが重要
どちらのファクタリングにも一長一短があり、法人ごとの状況に最適な形態を選ぶことが、資金繰りの安定と経営リスクの軽減につながります。